市政の動き−コラム「展望台」

No.1935 〈2017-08-27〉 弁証法と唯物論そして史的唯物論へ

弁証法と唯物論そして史的唯物論へ

 ドイツの哲学者ヘーゲルは、いまから247年前(1770年〜1831年)のきょうが誕生日。自然科学から法律学、歴史学から宗教学・美学まで、当時の学問的な到達点のすべてをきわめたとされる人物です。

 エンゲルスは、ヘーゲルのなかで、一番感動的に受けとめたのが、世界を見る弁証法的な見方でした。ヘーゲルを通じて弁証法を知り、こんなに自由闊達に世界を見る見方があるのかとの思いに心を打たれました。

 その後、ヘーゲルを徹底的に前進させた哲学者、ルートヴィヒ・フォイエルバッハ(1804年〜72年)が現れました。さらに進めて、ゲオルク・ヘーゲルの観念論をのりこえて、唯物論に到達しました。

 その後、フリードリヒ・エンゲルス自身は、ヘーゲルの弁証法、フォイエルバッハの唯物論を身につけながら、社会を唯物論の目で見る立場、すなわち史的唯物論へと発展させてきたということです。

 しかし、エンゲルスは、それだけで満足しませんでした。社会が動く根底に経済があるとわかったことから経済そのものを研究しなければならない、と考えて、20歳代のまだ早い時期に経済学の勉強に打ち込んだとのことです。

 エンゲルスの『国民経済大綱』では経済学を、ブルジョア的な経済学だとして徹底的に批判し、社会主義をめざす労働者の立場に立った新しい経済学を展開した論文でした。
 マルクスは、この論文に刺激されて『資本論』構想へ進んだそうです。

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