市政の動き−政策・見解

【10.12.05】 第27回トヨタシンポジウム開催

大企業の横暴許さず 働く人が大切にされる社会を

 第27回トヨタシンポジュウムが、11月28日に豊田市内で開催されました。例年、年1回の行事であったものが、昨今の経済情勢を反映して5月に続いての今年2回目の開催です。トヨタ系労働者、業者、自治体労働者、研究者など90人が参加しました。 
 
  大企業トヨタにハッキリモノ言うべき 
シンポ実行委員長の愛労連・榑松(くれまつ)議長は、「リーマンショックから3年目、製造業の中小零細は一年間で一割が廃業する深刻な事態があります。フランスでは日産工場の国外移転があったとき、サルコジ大統領がゴーン社長を呼びつけて『それはダメだ』と断念させた。今、カローラ生産の海外移転を言い出した豊田章男社長を、菅総理が呼びつけて『多方面に影響を与える勝手なふるまいは許さない』と言うべきだ。数千億円もエコカー減税を受け取ったトヨタだからこそ言うべきだし、言う権利がある」と発言しました。

 労働者派遣法の抜本改正・最低賃金引き上げ

 基調報告にたった愛労連・事務局長の吉良さんは、深刻な就職戦線の状況にふれながら「大企業が正社員の採用を控えて、非正規で頭数をそろえていることに歩調を合わせるように、公務の職場でも新卒採用を極端に抑制して、今や、職員数の3割を超える人が臨時、高浜市では5割を超えています」と報告し、労働者派遣法の抜本改正・最低賃金の大幅引き上げの必要性を強調しました。
 「トヨタの拡大路線とリコール問題」と題して、立教大学名誉教授の丸山慧也さんが、日本のリコールに関わる法律の問題点も分かりやすく話しました。
 「トヨタのリコールでは、21世紀に入ってから「GMを追い越せ」の拡大路線と共に急速に増大したことを指摘、部品の共通化、極端な原価低減、開発期間の短縮、人材育成軽視などが複合的に関連しながら進んだことが原因ではないだろうかと指摘、製造現場での非正規労働者の増大も大きく影響している。多能工チームワーク(長期雇用)が重要です」と述べました。
 「サービスキャンペーン」の名で行われている不具合修理の問題点についても、今年初めのプリウス事件を引きながら分かりやすく説明し、参加者から大きな拍手を受けました。 
 特別報告では、4氏が報告。
 トヨタの現場から、高岡工場では、1ライン廃止で1900人もの労働者が他工場へ配転を強要され、会社の都合、横暴によって、家族を含めて生活設計がメチャクチャにされている問題に怒りが広がっていること。ラインの仕事がないからと「ピカピカ隊」なるグループにまとめられ、設備の清掃をさせられている労働者は「機械はピカピカになるけれども、俺の労働者としての誇りは曇ってくるよ」とのやるせない思いがリアルに報告されました。
 また、フロアーからの発言では、県下各地での不況や不安定雇用を取りまく諸問題の実態など6人の発言がありました。

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