活動日誌−思いつくままに
【23.02.26】公共放送のこれから
テレビ70年。NHKは公共放送として開局しました。先日その模様の放映を興味深く見入りました。1953年2月1日、NHK東京テレビジョン開局にあたり、初代会長「日本の文化史上に活気的な1ページを開きました。誠におめでたい日」とあいさつ。テレビは国民全体の上に革命的ともいえる大きな働きを持つとスピーチしています。その立場に立ち番組編成に取り組んできたことがよくわかる放映でした。
* * *
「おかあさんといっしょ」子どもから大人まで引き込ませた番組です。始まったのは開局から6年目の59年。会長が番組の編成に任命したのは劇作家の飯沢匡さん。イギリスのおとぎ話をモチーフにした「ブーフーウー」我が家にテレビはなかったはずなのに、筆者も好きでした。人形、ぬいぐるみなどの製作費をめぐってNHKから待ったがかかるも、飯沢さんは「子どもには最高級を与えなくてはいけない」と進言し、人形作りなど信頼できる仲間と共に番組ができていきます。
* * *
戦前、新聞記者だった飯沢さん。軍国主義を批判する記事を数多く執筆しています。そこには、軍国主義に翻弄される子どもの姿を見るたびに大人たちにの忸怩たる思いから、次の世代を担う子どもたちには、心がゆきたる良識な作品を作ってあげたいという思いを持っての制作だったことが伝わりました。とても興味深いことも紹介されています。「おかあさんといっしょ」の制作担当はすべて女性たち。婦人少年部という部署だったこと。女性の社会参加の先がけにNHKは大きく寄与していたのです。
* * *
戦後、平和憲法ができて、希望を持って前に進んできた時代。今、公共放送の役割を投げだし、番組づくりを歪めているのではと危惧します。真実の報道に徹することを願うばかりです。