活動日誌−東奔西走

【11.01.23】 野村武文議員の行政視察レポート

千葉県野田市「公契約条例」

 ●官製ワーキングプアをつくらない
 日本共産党議員団の行政視察のうち、千葉県野田市「公契約条例」のあらましを野村武文議員がレポートします。

低価格競争で事業者、労働者など貧困化

 地方自治体が行う工事や委託事業等の契約は、一般競争入札などの改革が進み、低い価格による入札が増える中で、低入札価格により下請事業者やそこで働く労働者にしわ寄せされ、賃金が低下する状況があり、貧困と格差の拡大、官製ワーキングプアをつくり出しています。
 この状況を改善し、公平かつ適正な質を確保し、労働者の適正な労働条件の確保と豊かな地域社会を実現するには、国の公契約に関する法整備が不可欠です。
 そこで野田市は、国の公契約法の整備を促すため、2009年(平成21年)9月、市では全国初の「公契約条例」を制定し、10年4月から適用しています。
 条例は、市が発注する1億円以上の建設工事や1000万円以上の施設設備の運転、保守、清掃の業務委託で、労働者の最低賃金を義務付けたうえで、下請事業者の請負額を確保するものです。
 適用範囲は、労基法9条による受注者・下請事業者のもとで働く労働者と派遣労働者です。
 条例で定める最賃の時給額は、設計労務単価と市一般職の給与の8割とし、10年4月では時給829円です。ちなみに、その時点の千葉県の最賃は728円です。
 この最賃を下回った場合、当然のこととはいえ、受注者は、労働者にその差額を支払う責任を負います。市は、契約の解除や損害賠償の請求、事業者名の公表ができるとしています。

最低賃金を上回る 清掃業務の労働者

 条例の施行によって最賃ぎりぎりだった庁舎内の清掃業務は、時間給730円が829円となり、月約1万6000円の賃上げになり、他の14件の事業入札でも、最低賃金を上回る額が示され、大きな効果が現われています。
 条例対象以外でも、市が直接雇用する産休や育休・病休などの事務系臨時職員、保育所や公民館などの業務員など829円以下の賃金が830円に引き上がりました。
 こうした賃上げは、各所から高く評価されたことなど、この実践をふまえて、次のような条例改正に取り組んだとのことです。

(1)賃金水準は、職種に見合った賃金基準を建築保全業務労務単価、市職員の給与、実勢価格等を基準に設定し、予定価格が1000万円未満のものも追加
(2)入札により受注者が変わることで、労働者の失職や労働条件の低下を防ぐため、長期継続契約の対象を拡充
(3)下請事業者の適正な請負額と労働者の適正な賃金の確保
(4)低入札価格調査制度の拡充、などです。

公契約条例・法で貧困と格差なくせ

 ●野村武文議員の話
 経済大国の日本で、年収200万円以下の労働者が1100万人を超え、毎年3万人超の自殺者が12年もつづく社会は異常。非正規労働の問題や医療、福祉など暮らしと福祉がゆがみ、憲法25条は「たくさんの穴があいたバケツ」の状態です。
 公契約条例は、あいた穴の一つをふさごうとするもの。刈谷市でも、請負事業者、指定管理事業者等の請負額とそこに働く労働者の賃金が相当低い場合があります。
 また、市の臨時職員は、872名で、正職員の890名に拮抗し、重要な役割を担っていながら、賃金では、正職員の平均6割程度しかもらっていません。
 刈谷市をはじめ、多くの市町村が公契約条例をつくり、本来、国の制度として「公契約法」制定を急がせなければなりません。

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